ディティールはあくまで手段であって

目的は着た時に「なんかいいね」って感じてもらえることだと思うので、

あまり頭でっかちにならず、全体の雰囲気がどうかでデザインしています。

例えば縫製について言うと、
一般的に縫製が良いって、どれだけ手間をかけたか(使う時間が増えるのでコストが上がるから)って話しになってくると思うんですけど、でもフラットな視点で見れば布と布がくっついていて、あとはデザインの違いに過ぎないと考えられますよね。(運針数、ステッチの仕方、あるいは表にステッチを出さないとか)
だから手間をかけて、折り伏せ縫いダブルステッチで耐久性をあげても、表にステッチが二本出るけど、それはデザイン的に全体の雰囲気に調和するのかどうかという話しです。

例えばルカ・オッセンドライバーとアルベール・エルバス期のランバンの「不完全の美」は
縫い代を断ち切りにして表に出していたり、パッカリングが出るようにしていたり、

ファスナーのテープを挟み込んだりせずにあえて表地に叩きつけるだけにしていたりとか

縫製が丁寧とは対極のことをしているんですが、でも一つの服としてかっこいんですよね。

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生地についてだと

何コットンとかスーパー何’Sとか、そういうたった一つの要素だけで判断せずに、

結果として出来上がったその生地がどうかを見るようにしています。

生地ができるまでの過程をざっくりあげると

原料の選定、紡績、生地の織り方(編み方)、仕上げ加工ですが、

本当にたくさんの過程を経て出来上がりますし、組み合わせがほぼ無限大なので、

例えば同じ原料で同じ糸番手のブロード生地でも、いくらでも違う風合いの生地が作れます。

(この場合だと最後の仕上げ加工の種類で大きな違いを出しやすいです)

あとコットンに関して言わせてもらうと、

一般的に超長綿が高級で良いと言われていますが、

繊維の長さ以外にも、綿の種類によって発色が良かったり、バルキー性があったりとか色々と特徴があり、

超長綿の種類が絶対的に最強ってわけではないので、綿の種類は求めてる生地の風合いによって変えています。

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